Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「盗賊か?」咄嗟には、そんな程度にしか想像できなかった。心蓮は、大きな樫のうしろへ走りこんだ。
上の柵を破って、崖の竹むらへ飛び込んだ人間がある。――一人なのだ。手にキラと何か光ったものを心蓮はたしかに見た。
「畜生っ」すさまじい怒りをふくんでいる男の声がすぐ側へ来て聞こえた。見ると、それは額に兜巾をあてている山伏である。
けん! けんっ! 黒犬は、山伏の袂に――裾に――まるで死にもの狂いの慕い方をして、追い纒っているのである。それを、腹立たしげに、
「うるせえっ」山伏は、蹴った。悲鳴を上げて、犬は腹を見せて仆れた、しかし、屈しないのだ、すぐにまた、噛みつくように、山伏の後を追う。
「ぶッた斬るぞ」ひっさげている直刃の戒刀を、山伏は、怒っている眼の上にふりかぶって見せた。――それには、さすが血迷っている犬も怖れをなして、いと悲しげな声をあげて、尾を垂れて逃げすくむ。
「――みろっ、てめえが飛びこんできたおかげに、綽空の奴を、どこぞへ、逃がしてしまったじゃアねえか。おれを追うより、綽空をさがせ! 今夜こそ、あいつの息のねを止めてしまわなければならねえ。――よっ黒犬、おれを主人と思うなら、おれの狙う綽空を一緒にさがしてくれ」