Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
――どこに?
こよいの灯を、良人はどこに見ているのか。そして良人は、自分のことを思うていてくれているかしら、自分がこうして良人を思慕しているように。
「いや」ふと、彼女の寂寥は、落莫と青春の葉をふるい落した林のように悲しみを奏でてくるのであった。
「良人は、わたしのことなど、わたしの万分の一も思うてはいらっしゃるまい。……ただ念仏を、ただ御仏を、そしてまっしぐらに念々と求めていらっしゃるのは、どうしたら、仏と一体になれるか、それしかないに違いない。――こんどの旅の思い立ちも、その御修行であるからには」玉日は、女として悲しかった。たえられぬさびしさに身を蝕われる気がする。
よよと、声を打ちあげて泣き伏したい気もしてくるのである。
だが――その良人をえらび、この運命を作ったのは、誰でもない、自分自身であった。しかも、あらゆる周囲の反対や世間のごうごうと非難するものと闘って、ついに克ち得た恋の冠ではないか。
ああこの恋の冠。それは、七宝の珠玉や金銀のかがやかしいものではなかった、氷柱の簪と棘の環にひとしいものである。
さびしさに嘆く時、かなしむ時、その氷柱や棘は、心を刺す。