Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

(旅の先で、誰かまた、お目にうつる女性でもあるのではないかしら)とか、それはおよそ、教養のある女性などが持つ邪推ではないと、自分でもいやしめられるような想像までが、頭のすみにのぼって、念仏をみだすのであった。

あさましい。こんなことに悩み、こんな程度の寂しさに堪えられないくらいなら、なぜ自分は、沙門の妻になったかと、自身を自身で叱ってみても無駄だった。

生命を賭しても――一族の者はおろか、社会の全部に反かれても――とあれほどな意志のもとに恋してかかったころの強い自分を今、呼びかえしてみても、なんのかいもなかった。

「ああ、お会いしたい」思慕は、身を焦いてくる。

くるしい冷寂な中にある炎の身が彼女であった。

すると――風でもない、狐狸とも思えない。誰か、草庵の外で、跫音がする。そして、しきりと戸をたたく者があった。

三

「あっ……」すぐ彼女の胸には、良人が帰ってきたのではないかという狂喜に似たものが走った。しかし、しばらく耳をすましていると、戸をたたく者のことばは、良人の声とは似もつかぬものであった。

それは、なにかに後ろから追われているようなあわただしさで――