Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
起って――善信は消えていた燈明へ灯を点じた。どこからともなく吹き入る風に揺れて、小さな火の舌は焼くものを求めるように白く狂った。
その灯を見つめて、善信はふと、自身の身のまわりに、いつの間にか、自分の生命を生かす必要以上なものが蓄えられているのに気づいた。
自分の若い生命は、たしかに、異性というものに結びついて、一つの安定を得てはいるが、その形が、これからの生活に、複雑を生み、贅に安んじ、懶惰になってゆき易いことを、彼はひそかに怖れていた。
現在の安定が、もしそういう人間の堕ち入り易い病弊の産褥のようなものであったら、安定は、やがて次の苦悩の芽をかくしている苗床に他ならない。――善信は、慄然とした。
覚明や、その他の弟子たちの気持も、いつのまにか、自分のこういう生活の形に影響されて、変っているのじゃないか。ひとつの逆境時代――苦難時代というものを通り越して、ほっと、陽なたの春を楽しむような人間の気持のたるみというものは、誰にもある、自分にすらある。
「そうだ」黙って、善信は外へ出た。
風はあるが、星月夜だった。彼は、牛小屋の隣に眠っている小者をよび起して、