Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
が――それなり、ふたたび、満座には、迷いの眼ばかりが白くうごいていた。
しいんとして、起つ者がない。
すると、禅房の木戸をあけ、庭石に木履の音を高くさせて入ってきた大兵の僧がある。
「やあ」と、広座のていを見て、快活な声を外から投げていうのだった。
「善信どの。なにか、おん身はそこで執筆役をおひきうけのご様子、いったい、きょうは何事があるのでござるか」
まだ失せない武骨な関東訛りでそういうのだ。これは、熊谷蓮生房であることはいうまでもない。善信が、
「あなたへは、ご通知が洩れていましたかの。実は、今日は同門一統の者、ここへ集まって、信不退と行不退の二つに座をわけておるところです」
「オオ、しからば、この蓮生も、法縁に洩れてはならん。やつがれはまず、こちらの座をいただこう」蓮生房は、どかと、これもまた、信不退のほうへと坐った。
九
信か。行か。二つの座のどっちを選ぶか。
(――試されるのだ)
そう思うと数百名の門徒は、よけいに迷っているふうであった。唾をのんで、人の気色にばかり敏覚である。しいんとして、
(吾は――)と進んで、自分の態度を、はっきり示すほどの者がない。