Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
自然の大気に吹かれたのである。――ふたりは、鹿ヶ谷へゆく道が、どれほど高くても、難路であっても、苦痛などということはまるで考えないような様子であった。
「オオ……」法勝寺の前へゆくと、もうそこは、いっぱいの人であった。堂の上も、堂の下も、また廻廊の隅まで。すると、鈴虫が、
「おや、あそこに――」と誰のすがたを見つけたのか、松虫へ顔をよせて、微笑みながら指さした。
三
「ね……あの御堂の端に。……来ているでしょう」
「どなたが」
「坊門の局が」
「あ……ほんとに」
「局のわきに、まだ三、四人ほど局の女房たちがいるようです」
「え……」
「あの方たちは、いつでも、ここへ来ていると見えますね。御僧たちと、何か、親しそうに話していますもの」二人が、外にたたずんで、こう囁き合っていると、やがて、御堂のうちの群集は、だんだん席をつめ合って、そのうちから親切な者が、
「さ、外に立っているお人は、順々に、お入りなさい。――坐れますよ」鈴虫は、松虫の顔を見て、
「どうします?」
「上がってみましょうか」
「え、え」二人は、大勢の人いきれに、何かしら含羞みと、恐さを抱きながら、そっと、隅の柱の下へ、坐っていた。