Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
そればかりではない――ふッと、水の面に、月の影が浮かび出たように、ふたりのすこし澄んできた胸のうちに、自分でも知らなかった自分のたましいが、うっすら、感じられてきた。
念仏は、彼女たちの唇がいっているのではなかった。――初めのうちは、その唇だけのものだったが、いつのまにか、唇の声は失せて、その胸の奥所にあるたましいが、称えているのだった。
正しい人間のすがた。――今の自分のすがたが、それに近いものになっていることを、松虫も鈴虫も、うすうす感じてきた。
(自分にも、こんな素直な自分があったのかしら?)と、自分を見直すほどに。
理窟や小智恵は、その間、働かなかった。わけもなく人間らしいよろこびと強さが体にわいてくる。
まわりの人々が、われなく、他人なく、称名しているすがたを、初めは、おかしく見ていたが、その安心しぬいている生命の光が、次には、尊く見えてきた。
「――お上人様が」
「お上人様のおはなしじゃ」
あたりの者が、もう、念仏をやめて、正面に身のびをしながら、こう少し騒めき合っても、松虫は、まだ掌を胸につけて、俯向いたまま、称名していた。
「松虫さま。