Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「――怖ろしくなった。おれは、おそろしくなった」
「はて、何が?」わざと訊ねると、
「こうしている身の果てが」
「うむ。……それだけでござるかの」
「いや、何もかもだ。……今日まで盲滅法に生きてきたが、過去も怖ろしい、現在の悪業もおそろしい。しかもその悪業から抜けることができない宿命かと吐息をついていると、お身様の話には、善人ですらなお救われる、いわんや悪人をやと仰っしゃった、これが、泣かずにいられるだろうか。――仏の弘大な慈悲というものが初めて身に沁みてわかった気がする。……するともう、何だか、泣くよりほかはなくなってしまった」
「オ、四郎。お汝は心の眼がさめたの。何という倖せな男ぞ」
「え、おれが倖せ?」
「見よ、善信をはじめ、この禅房の誰も彼も、御仏の胸にしっかり抱かるるまでには、みな切磋琢磨、幾十年の苦しみや迷いをしてここに至るものを、そちは、わずか一日のうちに、御仏の手から生れ変った嬰児のように誕生したではないか。世にもまれな倖せ者ではある」
「じゃあ、おれのように、あらゆる悪業をし、五体の爪の先まで、悪念悪心に充ちているような人間でも」
「即菩提心。もうお汝は悪人でもなんでもない」