Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
……それにつけても十八公麿の将来が案じられます。十八公麿のどこかにも、源氏の血がひそんでいるのではないかと」
「そう取越し苦労はせまいものじゃ。また、源家の血が、呪われた末路を踏むものとばかりは限らぬ。白いか、紅いか、咲いてみねばわからぬ」
「どうか、平和で、静かで、風にも散らぬ樹となり、花を結ぶよう――」母性のうれいを眸にこめて、隣の室の隅をながめた。
燈心の光の下に、十八公麿は、眠るのを忘れて、まだ草紙に文字を書いていた。
「磨よ」
「はい」
「もう、お寝みなさい」
「はい」
「また、あしたにしたがよい」侍女が来て、彼の衣服をぬがせた。そして、十八公麿がすなおに帳の蔭の衾にかくれると、間もなくであった。小侍が、足早に、
「お館様」と、よんだ。
「なんじゃ」
「新大納言様からのお使者がみえられて、ぜひ、お目にかかりたいと仰せられます」
「お使者が」
「お通し申しますか」
「この深夜に、成親卿のお使いとは……」いぶかしげに、考えていたが、
「ま、ともあれ、ご鄭重に」
「かしこまりました」小侍が去ると、すぐ立って、範綱は、客室へ出て行った。
客室には、二人の侍が、威儀をただして待っていた。