Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
だが、生信房ひとりは、
「裏方さまが」と、後へも、心をひかれて、泣きぬく房丸をあやしながら、自分も共に泣いている玉日の姿を見ると、そこを去りかねていた。
「さ、裏方さま。お嘆きはさることながら、それでは、師の房のお心にもとりまする。内へお入りあそばして、生信房と一緒に、静かに念仏を申しましょう」手をとって、彼は、涙の母と子を、庵のうちへ誘い入れた。――もう大風の後のように寂として、どの部屋も、空虚を思わせる岡崎の家だった。
四
輿には、墨黒々と、
太政官符越後流人
日野善信
と書いた札が打ってある。
善信は、その輿のうちに揺られていた。戛々と、おびただしい蹄の音や、草摺のひびきや、その人馬の足もとから揚るほこりにつつまれながら――
(玉日……)と、心にさけび、さすがに、わが子の声が、まだ後ろに聞える心地がして、幾たびか、岡崎の林を振りかえった。
禁柵の外へ出ると、そこには、知縁の人々が、百人以上も待っていた。輿に添って来た覚明や性善坊を介して、人々は、わっとむらがり寄って、
「善信御房っ」
「おすこやかに――」
「また来る時節をお待ちなされ」
「おさらば」
「おさらば」