Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
あたりの者の寝息をうかがって、彼は這い起きた。
みしりと、棟の梁が軋む。そのかすかな物音にも、彼はギクッと身をすくめるのだった。
(いや……よそう……)われに返って、彼は醜い自身を恥じるよう、ふたたび寝夜具のうちへ身をひそめた。けれど、所詮、それは理性と本能のたたかいを血管のうちでくりかえしているに過ぎなかった。
ずいぶん長い間のそれは苦悶だった。一刻ほどたつと、彼はまた、そうっと自分の体を起して、やどかりが這い出るように、手さぐりで真っ暗な房のうちからどこかへ忍びかけていた。
「……ム……ウムム……」うしろで、念名がこううめいた。石念は白い盗人のような眼をギョッと振向けたが、何事でもなかったのを知ると、こんどは、全身の勇をふるい起すように――しかし針ほどな物音にも心をくばって、一尺か二尺ほどずつ、手さぐりでその部屋の外へ出た。
彼はついに、寝所の外へ出てしまったのだ。もうそこには常の反省も常の石念もなかった。――柱、戸、壁などを撫でまわしながら、廊下をつたわって、一歩一歩、足音をぬすんで行った。その突当りの一間に、鈴野が寝ていた。
三
ふるえていた。