Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「無自覚の四十年五十年は夢中の一瞬です。おん眼をひらかせ給わば、一年も百年千年の生き心地を覚え給うに相違ない。何日なとご発心はおそくはない。ようこそ来るべきところへ参られた、いでこの上は親鸞が、ご仏縁の仲だちをお授け申しあぐるであろう」
その夜すぐ、親鸞は彼のために剃刀を取った。そして、法善房光実という名を選んで授けた。
四
「どうじゃ盛綱どの……いや光実御房。生れかわった気がするじゃろうが」四、五日たって、西仏は新しくここに加わった佐々木三郎盛綱の光実にこう話しかけた。
「ありがたい、ただありがたさで、今は胸がいっぱいだ」と、光実は心からいった。
「どうして今までおれは、あんな絆に惑ったり悶えたりしていたのか、ふしぎでならない」
「そこが、俗世間だ、濁流の中に住んでいるうちは、濁流から出る道もわからない」
「そればかりか、上人から聞かされる一語一語が、いままで、鎌倉の将軍家から貰った武功の恩賞より身に沁みてうれしい。――頼朝がおれに与えたものは、皆自己のわけ前であり、自己のため以外のものでなかった。――然るに上人は何もご自身に求めるのではない、あのお眸に映るすべての者を、ひとしく倖せにしてやろうというほかに、他意はない。