Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
――また、私も永い年月、どんな辛抱しても、うちの良人が真人間になってくれるよう、そして、世間のよい夫婦のよう、行く末に、今日の辛さや悲しみも、語り草にしてと思うて参りましたが……もうこのごろはその望みも持てなくなりました。身には生傷が絶えません、心には、暗いものがとれません、明けても暮れても眼を泣き腫らしているようでは、うちの良人の気持も荒ぶばかりでございます。所詮、二人が一つ軒下に添っているのは、この世ながらの地獄を作っているようなもの、あの人のためにも、疲れた、私の身にも、尼になるのが、いちばんよい道だと存じます。どうぞ、お慈悲と思うて、お剃刀をいただかせてくださいませ」
「うむ、一応はご無理のないおたのみじゃが、しかしの、外の姿は尼と変えても、心のすがたをなんで変える」
「え……」
「黒髪を剃ろしただけでは、心のすがたまで変えたとはいわれぬ。真実、今いうたようなお内儀の心ならば、まず黒髪はいつでもよい、なぜ、その心から先に変えようとはなさらぬか」
「お教えくださいまし、それが分れば、私は、お上人さまの仰っしゃるとおりに行います」
「よういわれた。真、御仏に仕えようというご発心ならば、いつも親鸞が申すとおり、朝念暮念、ただ念仏を忘れぬことです。