Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
「房のお方! 房のお方! わたくしは吉水の者です、上人のお弟子の端につらなる実性と申す者です。はやくここをお開けください、お救いください。わたくしは今、殺されかかっております」ことばに連れて、戸を打つ音も激しくなった。
性善坊か、覚明が、すぐ起きて行って、そこを開けてやったらしい。がたがたと、なにか表のほうに物音がつづいて、急に草庵のうちに一度消された灯りがまた点っていた。
「裏方さま」性善坊の声である。
玉日は、声のするほうへ、眼をみはって、
「はい」といった。
「まだ御寝なさいませぬか」
「ええ、起きておりました」
「おそれ入りますが、私と覚明とでは、計らいかねることが起りましたので、ちょっと、お立ち出でを願われますまいか」
「なにが起りましたか」玉日が、持仏堂を立って行った縁には、性善坊が、紙燭を持って、かがまっているのである。
「今――なにやら表のほうで、物音がしましたが?」
「されば、困った者が、救うてくれといって、血みどろになって、転げこんできたのでございます」
「えっ、血みどろの人が」
「おそらく、裏方さまには、ご承知もない者でございましょうが、吉水の端におる者で、実性と申しますが……」