Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「なんとか、和解の途はないものだろうか」禅閤は、自分の力で、この大きな対立の調停ができるものなら、どんな骨を折ってもよい、老い先のない身を終っても忌わないと考えていた。
で――高雄の明慧上人へ、ぜひ一度、個人的に会って談合したいが――と使いをもって申し送ると、明慧からも、承諾の旨をいってきた。
「かの上人ならば」と、禅閤は、一縷の望みを抱いて、今の大きな危機を、自分の信念と誠意をもって、未然に、打開できれば、それはただ吉水の門派や一箇の法然の幸いであるばかりでなく、社会不安の一掃であり、また、一般の法燈のためにもよろこぶことだと信じていた。
ところが――意外な大事件が、誰も考えていないところから突発した。――まったく、吉水でも、その法敵でも、夢想もしていなかった社会の裏面から、それは燃えひろがった魔火であった。
悪人篇
松虫と鈴虫
一
暦の上ではもう秋といわねばならぬが、気象は夏型のままだった。久しく雨を忘れているような空に、きょうもうごかぬ雲を見せ、宇宙は大きな倦怠状そのものだった。
この倦怠と無変化を、残暑とよんで、人の生態も、ふしだらや無気力が自然とされ、東山の高さから洛内をながめても、炎天のうちは、大路大橋を往く人影もなく、乾きぬいた町家の屋根は反りかえり、加茂川の水は涸れほそって、堤の柳も埃に白くうなだれ