Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

三

けれども、そういう気がしてならないのだ。なぜならば、今、女性のあいだで、最も持て囃されている教義は何だと思う」

「法華経かな?」

「法華経も、上流の女性のあいだにはひところ行われたというが、それは極めて小乗的にだ。もっと、はっきりと、今の社会の女の気持をつかんでいる教義があるじゃないか」

「あ。念仏門だ」

「そうれみろ。庶民から上層の女まで、念仏に帰依した女性というものはたいへんな数だ。内裏の女官のうちにも、公卿の家庭にも」

「ムーなるほど」

「おれはそこでふと思いついたのだが、上皇の寵妃が、二人までも、御所を脱け出すなどというのは、容易にできることじゃあない。世間では、当然、恋愛だといっているが、色恋の沙汰なら、二人づれでは走るまい」

「そうもいえる」

「第一、男があって、そこへ走ったものなら、その男の周囲からすぐ知れる。また、死ぬ気なら別だが、さもなければ、御所を脱け出したからとて、満足に添いとげて行かれるものではなし、いくら恋は熱病でも、ありえないことだとおれは考える」

「いや、そうでもないぞ。若い女のことでは」

「まあ、それも疑問があるとしておいてもだ、衛府の役人や、捕吏が、教門のほうへは少しも手を廻していない様子ではないか、それはどうだろう」