Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
木を拾ってきて、二人は火を焚いた。明日はまた、隙を見て、寝具なども法勝寺の庵から運んで来ようと慰めるのであった。
松虫と鈴虫は、この二人の親切に、ただ涙がながれてならなかった。そして、御所の絢爛な襖やあつい綿を思っても、少しも悔いを感じなかった。
美食や、脂粉や、絹のものや音曲や、そういう雰囲気の生活よりも、ここにある真実こそ人間の生活だと思った。――ただ彼女たちはまだ自分たちの装いが、俗のままにあることがともすると意志を弱めているようでならない。もっと、今の感激をつきつめて、髪を剃し、袖も裳も、断ちきって、清楚な尼のすがたになりきってしまいたい念だけがあった。
「おねがいです」
「どんなお誓いでも立てまする……」そこへ来てからも、彼女たちは、掌をあわさないばかりに縋った。
安楽房と、住蓮は、ついにそれを拒みきれなかった。――というよりも自分たちの若い情熱と信仰に多分な危うさを覚えだしていたので、
(そのほうがいい)と思った。
おそらくまた、鈴虫と松虫のほうにも、同じような怖い動揺が血の中にあったであろう。お互いが若いのだ、そして極めて危ない火と火を持ち合っているのだ。