Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
四
「オオ、以前は、泥棒を商売にしていたが、自分の頭領が発心して、僧門に入る時、てめえも真人間になれと懇々いわれたので、それ以来、泥足を洗って、てめえのような凡くらに、きょうまで、おとなしく仕えていたが、もう止めた。真人間になるなんて、こりごりした。いったいこの世の中のどこに真人間なんて者がいるかってんだ。てめえのような悪代官を見ると、おれたちの昔の友だちのほうがはるかに正直で涙がある」
「よくもいうたな、おのれ、引きずり降ろして、鋸引きの刑にしてくれる」
「わらわすな」と、蜘蛛太は、依然としてそこに落着きこんで――
「おれが逃げようと思えば、こんな田舎の陣屋の牢ぐらい、幾らでも破ってみせる」
「よしっ、その舌の根を」憤然と、年景は、家の内へ走りこんだと思うと、弓と矢を持って、ひらりと、縁先から跳び降りた。酒気のある顔に、血をそそいで、弓に矢をつがえ、キリリと引きしぼって、こずえの空を狙うと、
「やい待てっ。――おれを射る気か」
「…………」ぴゅっと、返辞のかわりに矢は空へ翔けた。――しかしあわてたので蜘蛛太の体を外れていた。ただ二、三枚の若葉がばらばらと散ってきただけである。