Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

蛆

一

その覇気へ、彼は、大杯で酒をそそいでいるのだった。彼の血潮と酒とは、燃え合うと、多分な危険のあるものだった。それは家臣もはらはらしていることであったが、主君のことなので、どうにもならないのである。

「聞けっ、玄蕃」語気に癇癖がほとばしっている。こういう癇癖は、戦いがあれば戦場で散じてしまうだろうが、もう世の中は泰平だった。

「はっ……うかがっております」と、重臣の浅倉玄蕃は、この殿のこころの底を充分に知っているだけに――またその良い性格の半面もわかっているだけに――ただ涙ぐましくて、困惑に暗くなるのだった。

「わしはの……」と高綱は唇の乾きを舐めずりしていう。

「……わしはの玄蕃、ただ理由なく欲望を募らせていうのじゃないぞ。天下の将軍家たるものが、そういう態度であっていいものか――また、武門のことばの誓いというものが、そんな不信なものでいいか、正義のためにいうのだ」

「わかっております。――殿のお気持は、玄蕃めも充分に」

「わかっているなら、なぜ意見などするか。――よう昔を考えてみろ、わしのいい条が無理か否か」

「は」

「そもそも――石橋山の合戦だ。あの時わしは、兄三郎盛綱とともに、まだ二十歳にも足らぬ生若い頼朝を助けに馳せ参じた。