Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
御堂の両側に、柳と菩提樹を植えて、手を洗いでいた上人の前へ、夫婦は、おそるおそる来て、大地に両手をつかえ、
「ありがとうございまする。……お上人様、なんとお礼を申しあげてよいやら、今はまだ、あまりうれしゅうて、ことばもございませぬ」といった。
上人は夫婦のよろこび以上に、大きな歓びにつつまれて、ほほ笑んだ。
「みなも帰った。おもとたちも、はよう家へ戻って、きょうから、家の中も、明るくするように努めたがよい。良人、妻、どっち一人の力だけでも、家は明るうならぬ。よいかの、心を共に協せて――」
「わすれませぬ」お吉は掌をあわせた。
すると、平次郎は、大地を摺り寄って、泣き濡れた顔を上げながら上人の袂へすがってさけんだ。
「――お救い下さいまし……お救い下さいまし。末永く」
「平次郎は何を悩む、おもとはもう充分に御仏の救いに会っておらるるのじゃ」
「では……私を、御仏のお弟子に加えてくださいまし。上人様のお弟子の端に」
「よし」――とすぐ上人はうなずかれた。そして、唯円房という法名を、彼のために選んで与えた。
九
唯円房――
唯円房――
いくたびも平次郎は口のうちでくりかえしてみる。