Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
石を拾って風で飛ばないようにするまでの綿密な心づかいをこの盲人はして立ち去ろうとするのだった。
「お待ち下さい」範宴は呼びとめて訊ねた。
「おん身の峰阿弥という名は、琵琶を持ってからの仮の名でしょう。その以前、寺においでのころはなんと仰せられていたお方か、さしつかえなくば聞かせて欲しい」
「さよう……。恥の多い前身の名を申し上げるは面映ゆいが、実は、わしは、興福寺にいた教信沙弥でおざるよ」
「あ……教信」聞いたことがある、奈良ではかなり有名な人だ、学徳兼備の僧のようにいわれていたこともある、それが、奈良の白拍子との噂が立って放逐され、播州の加古川で渡し守をしているということが世間の笑い話になってから「加古川の教信沙弥」といえば堕落僧の代名詞のようになって落首や俗謡にまでうたわれたものだった。その教信沙弥がこの人なのか――範宴はそう聞くとこの盲人が前にいったことばももう一応考え直してみなければすまないような気持がしてきた。
だが峰阿弥のすがたは、白いものの飛ぶ朧な樹蔭をもうとぼとぼと彼方へ去っていた。そして、彼のいた床几のあとには、一葉の短冊が謎のように置き残してある。