Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「どうした理です、それは」
「わたくしが、花山院の少将様と恋をしているというのではございませんか。誰の悪戯か、私の笄や小扇を、御所の墻の外へ捨てて、それが証拠だなどといい、少将様の恋文とやらを、御老女がひろったなどと……」
「まあ、人の悪い」
「今もさんざん、皆の前で」
「罵られたのですか」
「それなら、云い訳もしますが、ただ針のようにちくちくいっては、私を笑い者にして弄るのです」
二
めずらしいことではない、鈴虫が身をわななかせて訴えるようなことは、松虫も幾たびか経験していることなのである。
しかし、鈴虫は、今日のその口惜しさだけを悲しんだり泣いたりするのではなかった。そういう陰険な悪戯や邪視の中に、毎日を暮していなければならない自分の青春を傷むのであった。
「こんな中に幾年もいるうちには、今に、自分も、あの意地わるな御老女のようなねじけた人間になるんでしょう。そして、自分でもそれを不思議にしないようになるんでしょう。私は、怖ろしいと思います」膝にすがって、そう泣きふるえていう鈴虫のことばは、松虫にも、深刻に考えさせられることだった。
何も、感激のない生活――それだけでも人間は苦しいのに。