Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
六
おどろきと――悲しみの深い吐息のうちに――生信房は聞き終って、やがて、ほろりと涙を流した。
「蜘蛛太……。おまえはまだ、そんな怖ろしい心を持っているのか。あれほどわしがいったのに、まだ、悪行をやめてくれないのか」
「頭領――いや生信房様、あっしはあなたが坊さんになる時の意見を、決して忘れていやしません。……だけど、あまりといえば憎い奴――悪い代官――それにおれが恩人とも思っている山吹さまを、酷い目にあわすので、つい復讐をしてやる気になったんです、悪いことは重々知っておりましたが」
「ああ、怖ろしいことをしたものだの。……今となっては追いつかぬが」
「…………」
「だが蜘蛛太、それほどなおまえが、なにゆえに、自分で火を放けておきながら年景どのの家族について、和子を負ってここへ逃げてきたのか、解せぬ仕業ではないか」
「あなた様が、あの炎のうちに入って、女子どもを救ったり、また、西仏という坊さんが、年景を助けて、共に役所の大事な物を持ち出しているのを見て、なんだか、急に自分が済まなくなったんです。……そしてつくづく考えたのは、やはり火を放けて人の難儀を見ているおもしろさより、火の中へ自分を捨てて人を助けることのほうが、ずっと、おもしろいというのもおかしいが、いい気持がするってことが、初めて分った気がするんです」