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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

03 日光の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页

青空文庫

「殿の御出府を待って、しかるうえに、お手ずからお掘り願うとしよう。それまでは、何者もこの庭隅に近よることはならぬ。昼夜交替に見はりをいたせ」

つい一昨年まで他人の住まいだった屋敷に、こけ猿の財産が埋ずめてあるなんてエのは、どう考えてもうなずけない話だから、藩士一同、それこそ、お稲荷さまの眷族に化かされたような形。

それでも。

埋宝発見の心祝いに、潔めの式をせねばならぬと言われて、こうして正装に威儀をただし、ズラリと変な顔を並べている。

屋敷の庭の一隅が、急に聖地になりました。

一坪の地面に青竹をめぐらし、注連縄をはり、その中央に真新しい鍬を、土に打ちこんだ形に突きさして、鍬の柄に御幣を結び、前なる三方には、季節の海のもの山のものが、ところ狭いまでにそなえてある。

田丸主水正、いま前に進み出て……つつしみつつしみて申す、とやったところだ。

若侍の一人が、となりの袂を引っぱって、

「ウフッ、どうかと思うね」

「こういうてがあるとは、知らなかったよ」

「こんなインチキをしていいのかしら」

高大之進が振りかえって、

「もろもろはだまっておれ」

めでたく式は終わって、これから大広間で酒宴に移ろうとしていると、合羽姿もりりしく、手甲脚絆、旅のこしらえをすました若党儀作が、やっと人をかき分けて、主水正に近づき、