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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
七
から、その日光の話とやらを、ポンと蹴っておくれよ。ナア、作爺ちゃん」
と左右から、チョビ安とお美夜ちゃんにすがられた作阿弥、同時に二人の手を振りほどいて、
「田丸殿、迎えの駕籠が、待たせてあるとおおせられたな」
スックと起ち上がった。
「泰軒どの、何やかやと、長いあいだ親身も及ばぬお世話にあいなった。御迷惑ついでに、それでは、この二人の面倒をお願いいたしまするぞ。泰軒先生」
「これはまた、気の早い。もう御出発か。イヤ、心得た。あとのことは御心配なく……田丸殿さえ言葉をたがえねば、安の両親はおっつけ知れるであろうし、お美夜ちゃんは、及ばずながらこの泰軒が娘と思って――」
七
心境の変化は、突如として起こることがある。
その例の一つが、司馬道場のお蓮様。
もっとも。
近ごろお蓮様が、何やら身のはかなさを感じ、心細さにうちのめされていたことは、事実だ。
それはそうでしょう。
あくまで排斥しようとした源三郎に、断つに断てない愛を感じたのですもの。みずから仕組んだ陰謀と、この、おのが恋心とのあいだにはさまれた彼女の胸は、どんなに苦しかったかしれない。
そしてまた。