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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
四
た。
四
サア、何十畳敷けるでしょう……。
広い板の間の道場。
正面には、故司馬先生の筆になる十方不知火の大額をかかげ、その下の、一段小高い畳の壇上、老先生、老先生ありし日には、あの白髪赭顔のおごそかな姿が、鉄扇を斜に構えて、そこにすわっていられたものだが。
今そのかわりに、金唐革の鎧櫃が、ドッシリと飾られて――。
蔵からここまで持ってきた山口達馬、青砥伊織、青木三左衛門の三人は、その、異様に重い鎧櫃に、格別不審をいだきませんでした。
筑紫の名家、司馬家です。鎧、兜、刀剣など、代々伝わる武具だけでも、おびただしい数にのぼっている。それを誰かが、鎧櫃へ入れておいたのだろうと、そう思うまでで。
別棟に陣どっている、源三郎手付きの伊賀侍たちが、当てもなく若君の帰館を待っているあいだに、彼らに気づかれぬよう、そっとこの式をあげてしまわねばならぬ。
峰丹波がこの不知火流の名跡を継ぎ、司馬十方斎のあとを襲うとの披露をしてしまったあとで、あの柳生一刀流の連中に正式にかけあって、邸外へおっぽり出してしまおうという魂胆。
紋付袴に威儀を飾った不知火の弟子一同、静かに道場へはいってきて、壁を背に、左右に居流れる。