轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
二
「御家老、それでは私は、これからただちに伊賀のほうへ――」
「ウム、急いで発足してくれ。道中気をつけてナ」
二
東海道を風のようにスッ飛ぶ超特急燕、あれでもおそいなどと言う人がある。もっとも、亜米利加の二十世紀急行、倫敦巴里間の金矢列車、倫敦エディンバラ間の「飛ぶ蘇格蘭人」……これらは、世界一早い汽車で。
人間には、欲のうえにも欲がある。その欲が、進歩を作りだすのですが。
どこへゆくにもスタコラ歩いた昔は、足の早い人がそろっていたとみえます。
早足は、修練を要する一つの技術だった。
歩きじょうずの人の草鞋は、つまさきのほうがすり切れても、かかとには、土ひとつつかなかったものだそうで、つまり、足の先で軽くふんで、スッスッと行く。
呼吸をととのえ、わき眼をふらずに、周囲の風光とすっかり溶けあって、無念無想、自然のひとつのように、規則正しく歩を運ばせる。
この早足については、いろんな話がのこっております。水のいっぱいはいった茶碗をささげて、一日歩いても、一滴もこぼさなかったなんてことをいう、完全にからだの平均がとれて、一つもむだな動きがないから、全精力をあげて歩くほうに能力があがったというわけでありましょう。