轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
水打つ姿
一
いつまで続くかわからない。たまりかねた取次ぎの若侍。
「殿! 司馬道場より、安積玄心斎殿がお見えになりました」
思わずそう言いかけると、対馬守、クルリと膝を向けかえて、
「ナ、何? 玄心斎がまいったと? ナ、なぜ早く言わぬッ!」
言おうと思っても、いう機会を与えなかったくせに。
水打つ姿
一
女の子が人形の毛をむしったり、こわしてしまったりするのと、同じ心理。
女性には、得てこういうところがあるのかもしれない……大事な品でも、じぶんの手に入れることができないとわかれば、いっそ破壊してしまおうという本能が湧く。
この場合は、それに嫉妬が手伝って。
父六兵衛の家を、パッと飛び出した娘のお露。
外はまだまっ暗だが、これから朝へ向かうのだから気が強い。しっとり露を含んだ地面に、下駄の歯を鳴らして、お露はいつしか、白い素足も乱れがちの小走りになっていた。
目の前の闇よりも、彼女の心の暁暗。
それというのが……。
父が三方子川から救いあげてきた柳生源三郎、わが家の奥座敷に病を養い、このお露が、朝夕ねんごろに看病をするうちに、見る人が思わずおどろきの声を発するほどの、すごいような美男源三郎ですから、お露はいつからともなく、三方子川の川波よりもさわがしい胸を、源三郎に対していだくことになったので。