轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

03 日光の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页

青空文庫

街の所作事

一

サ、あちらへまいりましょう」

と手を取らんばかり。

丹波はお蓮様に従って、長い渡り廊下を道場のほうへ。

残影で西の空は赤い。庭にも、もう暮色が流れて、葉末をゆるがせて渡る夕風は、一日の汗を一度にかわかす。

と、ヒョイと見ると、その庭におり立って、手桶の水を柄杓で、下草や石燈籠の根に、ザブリザブリとかけてまわっている人があるんです。

帷子に茶献上――口のなかで謡曲でもうなりながら、無心に水打つ姿。

が、ハッとして足をすくませた丹波とお蓮様、チラリふり返ったその若侍の蒼白い横顔には、思わず、ギョッと……!

街の所作事

一

塗師町代地の前は、松平越中守様のお上屋敷で。

角から角まで、ずっと築地塀がつづいている。

その狭い横町に、いっぱいの人だかり……。

とんぼ頭の子供をおぶった近所のおかみさん、稽古帰りのきいちゃんみいちゃん、道具箱を肩に、キュッと緒の締まった麻裏をつっかけた大工さん、宗匠頭巾の横町の御隠居、肩の継ぎに、編笠の影深い御浪人。

そういった街の人々が、ぐるりと輪をつくっています。

酒屋の御用聞きが、配達の徳利を二つ三つ地面にころがして、油を売っていると、野良犬がその徳利を、なんと勘ちがいしてかしきりになめまわしているのも、江戸の町らしいひとつの情景。