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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
二
と、まるで人にもの言うよう……にわかにくつわを取りつけ、裸馬のまま引き出してきたのへ、
「うむ、これは思いつき!」
ととび乗る泰軒居士、身の軽い老人と子供のことだから、作阿弥とチョビ安を前後にかかえこんで、三人を乗せた名馬足曳は、一路焔を望んで、道なき山道を日光の町へ――。
二
「おお、かようなところに、小流れがある」
と、足もとの闇をすかして、源三郎が言った。
やっとのことで、一行が日光の町の下までたどり着いた夜中。
眼の前には、真っ黒な山が切り立つようにそびえて、はるか上の断崖のふちに、雑木林にかこまれた一軒家の灯が、何事か語り顔にチラチラしている。
下流へ行って、大谷川とでも合するのであろう。この崖の裾をめぐって、落ち葉朽ち葉のあいだを、一条のせせらぎが清冽な音をたてている。
ひとまたぎでとび越せる小川。
だが、ためらう萩乃は、源三郎の部下の一人にしょわれて、一同は川を越した。お藤姐御だけはすましたもので、しゃがんで背をむける一人を、
「おふざけでないよ」
とこづいたまま、白い脚もあらわにピョイととび越して、ほほほと笑ったものだ。
そのとき左膳が、何を見つけたか、水辺にしゃがみこんで、