轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

03 日光の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页

青空文庫

八

番所をかためている役人が、驚いて、

「コレコレ、小娘、貴様、寝ぼけたのではあるまいな。そんな物をしょってどこへ行く?」

六尺棒を持ったもう一人が、そばから笑って、

「おおかた、引っ越しの手伝いの夢でも見たのであろう」

「いいえ!」

とお美夜ちゃんは、ここが大事なところと、かわいい声をはりあげ、

「あたしね、南のお奉行様のお役宅へ行くんですの。とおしてくださいな」

八

「オウイ、ガラッ熊! 鳶由ッ!」

真夜中のトンガリ長屋に、大声が爆発した。

声は、まるでトンネルをつっぱしるように、長屋のはしからはしへピーンとひびいてゆく。

叫んだのは、この長屋の入口に巣をくって、口きき役を引き受けている石屋の金さん……石金さん。

名前だけでも、えらく堅そうな人物。

その堅いところが、このとんがり長屋の住民の信用をことごとく得て、まず、泰軒先生につぐ長屋の顔役なのだ。

今。

その石金さんが、あわてふためいて路地を飛び出して、こうどなったのだからたまらない。

まるで兵営に起床喇叭が鳴りひびいたように、ズラリとならぶ長屋の戸口に、一時に飛び出す顔、顔、顔。

ガラッ熊は、まっ裸の上に印ばんてん一枚引っかけて。