轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

03 日光の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页

青空文庫

ちょっとさわれば、ぶっ倒れそうだ。

警護の侍たちはおもしろがって、一人が、

「農工商のうえだと申しても、武士もこうなっては形なしだ」

笑いながら、通りすがりに、ドンと左膳の胸をついてゆく。

左膳は無言、ニヤニヤしながらよろめいています。

「オイオイ、気ふれ殿、行列の中へまいこんでは、邪魔になって歩けぬではないか」

ほかの一人がそう言って、うしろからグンとこづく。

「これでも、刀を二本さしているから、お笑い草じゃテ」

一つの手が、左から左膳をつきとばす。

「ワッハッハッハ、竹を二本さしているなら、まず目刺しじゃろうな」

もう一つの手が、右から左膳を押しかえす。

「気狂いも女なら、桜の枝か何か持って、ソレ、芝居にもよく出るやつだが、武士の気狂いでは色気もござらぬ」

「これでも昔は、いずれかの藩に仕官したこともあるであろうに……かわいそうに」

同情めいたことをつぶやいてゆくやつもある。一同は前後左右から、左膳をつつきまわしながら、多勢の跫音が、ザクッ! ザクッ! と白い砂を蹴って、通り過ぎる。

しんがりに立っていた、色の真っ黒な、口の大きな侍が、

「エイッ、馬鹿者ッ! 邪魔だッ!」