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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
これはこうしてはおられぬ」
という考えが、伊賀の連中のあいだにだいぶ有力だったのだが、これには何か仔細ありとにらんだ玄心斎、今日にも明日にも、どこからか手がかりの糸がほぐれてくるに相違ない。このさいいたずらにあわてまわるのは、策の得たものではないと、信ずるところあるもののごとく、玄心斎はそう言って、やっとみなをおさえているのだ。
ところで、この司馬の屋敷は、門をはいると道が二つにわかれて、一方は板敷の大道場を中心にしたひと構え、ここに、お蓮様丹波の一党が巣を喰っているのです。
そして。
もう一つの道は、そのまま奥庭へ通じて、庭のむこうの壮麗をきわめた一棟――源三郎の留守を守る伊賀の連中が、神輿をすえているのはここだ。
で、道をまちがえたのだ。お露は。
来てみると、想像していた以上に大きな屋敷である。
まず、りっぱな御門におどかされたお露は、とみにははいれずに、しばし門の前をいったり来たりしたが、これでは果てしがない……。
「こちらのお嬢さまが、いま自分の家にいる若殿様を慕って、ゆうべからこっそり会いに来ていると知れたら、どんな騒ぎになるだろう。イエ、大騒ぎにしないではおかない」