轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
名指された御老人は、苦笑しながら、小銭をつかんだ手を十徳の袖口から出して、チョビ安へ渡す。
ドッと湧く爆笑。
もう、忍びやかな夕陽の影が、片側の松平越中様の海鼠塀にはい寄って、頭上のけやきのこずえを渡る宵風には、涼味があふれる。
早い家では灯を入れて、腰高の油障子に、ポッと屋号が浮かび出ています。
なつかしい江戸のたそがれどき。
「サア、散った、散った。いつまで立っていたって、もう今日はこれで店仕舞えだ。だがな、明日もここで、『辻のお地蔵さん』の所作事をお眼にかけるから、お知りあいの方々おさそい合わせのうえ、にぎにぎしく御見物のほどを……ナンテ、さア、お美夜ちゃん。巣へ帰ろうなあ。作爺さんと泰軒小父ちゃんの待っている、あの竜泉寺のトンガリ長屋へヨ」
「アイ」
お振袖のかあいい女の子と、意気な兄イの見本のような、こましゃくれたチョビ安と、二人の小さな影が、まるで道行きのように手を引き合って、長い横町を遠ざかる。そして、夕陽のカッと射す角を曲がって、浅草のほうへ消えてゆくのを、町の人々はまだ立ちどまって、見送っている。
ガヤガヤ笑いながら、
「兄妹でしょうか」