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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
「何やら、先方から苦情が出ましてナ、今朝の立ちあいは中止になりましたて。丹波めと源三郎様と、まだいろいろと論議しておられましたが、私は、そのままにして帰ってまいりました。あの分では、妻恋坂の道場では、まだ当分にらみ合いがつづくことでございましょう」
などと、いいかげんな報告をして、殿の御前をとりつくろってしまった。
そして、その翌々日。
主君対馬守のお供をして、この日光の現場へ向け、江戸を発足したのでした。
へんてこな腰元として、対馬守様のお側近く使われている櫛巻のお藤姐御。さては、こけ猿の壺の真偽鑑定役に、はるばる伊賀の柳生の庄から引っぱり出されてきた奇跡的老齢者、あのお茶師の一風宗匠、この二人をはじめ。
それから。
高大之進を隊長に、こけ猿探索を使命とする尚兵館の連中、これらは、まだ、まだ江戸の上屋敷に残されていて、一緒に日光に来ているのではありません。
そこで。
何しろ主君のすぐ下にあって、慣れない普請の指揮をするのですから、田丸主水、からだがいくつあってもたまらないほどの忙しさ。
「ええと、人夫は、二十五歳から五十歳まででしたナ。永銭で昼夜の手当、および昼飯料をくだされる……確かそうでございましたな?」