轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
家はさきごろまで、ちょっとした百姓が住んでいたと思われる、こぢんまりした住居で、見たところなんの変哲もないが……いったい、こうまで水ももらさない見張りがつけられるとは、何者であろう。
よほど凶悪な囚人!……でもあるかと思うと。
家のなかには、品のいい武家の後室らしい女と、その娘のかあいい女の児、それに、二十ばかりの美しい腰元が一人、食事その他の世話役に、ついているだけだ。
「マア、ほんとうに、いつまでこんなところに、こうしていなければならないのだろうねえ」
と、今もお蓮様は、柿の枯れ葉の吹きこむ百姓家の小縁側に立って、ひとり言のようにつぶやいた。
折り重なる日光の山々、男体、女体、太郎山、丸山などが、秋の空気の魔術か、今日は、眉にせまるように近々と望まれる。
お蓮様の言葉を聞きつけたお美夜ちゃんが、愛らしくそばへ寄りたって、
「ねえ、母ちゃん、ここはもう日光なんだろう? いつお爺ちゃんのところへゆけるの?」
お蓮様は、屈託気に、帯の胸元へほっそりした両手をさしこんで、
「サア、それが母さんにも、サッパリわからないんですよ」
「アラ、じゃ、まだここは日光じゃないの?」