轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
ふしぎなもので、狂人といわれたその眼で見ると、普通の人でも、変に見える。
そう言えば、すこし眼の色がちがっているとか、笑い声が尋常でないとか……。
そう信じこんでいる者へ向かって、「いえ、わたしは狂気ではありません」と弁解しようものなら、さてこそ、狂人の十八番が始まったとばかり、いっそう狂人扱いされるのみ。
「サクアミとか、南無阿弥とか、たえず妙なことを口ばしっておるようじゃが」
「ナニ、言いたいことをいわせておけばよいのじゃ」
と、これでは、お蓮様はどこにも、取りつく島がありません。
一日に何度となく、庭づたいに役人衆のいるところへ来て、
「どなたか上の方に、お眼どおりを許していただくわけにはまいりませんでしょうか」
「ハイハイ、御城主様でも公方様へでも、どなたへでもお取り次ぎを申しまするで、どうぞ、お屋敷でお待ちのほどを、願いあげまする」
お蓮様は癇癪を起こして、
「マア、何を言うのでしょう。日光というところは、狂人ばかりそろっているのねえ。気味の悪い!」
侍たちはドッとふきだして、
「イヤ、こいつは参った。まったく言われてみると、狂人のお守りをしているわれらも、こう退屈では、いつのまにか気が変になろうも知れぬテ」