轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
与吉のやつは、チョビ安に、忘れられない恨みがあるんです。
そもそもこの事件の当初。
うまく品川の宿舎から、こけ猿の壺を盗み出したのに、途中でそれをうばって逃げ出したのが、あのチョビ安。あれがこの紛糾のもととなったのですから、チョビ安に対する与吉のうらみたるや、山よりも高く、海よりも深い。
「こんどこそはあの小僧のやつを、とっちめてやるぞ」
と、昼夜兼行で、ねらっていると。
すると、今夜のこと。
誰かわからぬが、偉そうな覆面の侍が、この長屋をおとずれたと思うまもなく、チョビ安と泰軒が、連れだって旅へ出たようす。見送りの長屋の連中のうしろに立って、それとなく聞いたところでは。
日光へ……という。
ハテナ? と思うひまもなく、こんどはたえてひさしい左膳とお藤が姿を見せて、これも、日光へ――。
かと思うと三人目には、伊賀の暴れん坊までが日光をさして、江戸を離れようとする。
トンガリ長屋の付近にひそんで、そこまで見とどけた与吉。
「ワアッ! てえへんでえ、てえへんでえ! 馬鹿に今夜は日光ゆきのはやる晩だ。こりゃあこうしちゃあいられねエ」
とばかり、東の白みかけた街を足を宙に、妻恋坂の道場へかけもどり、まだ丹波が寝ている部屋の外まではいりこんだ与の公、