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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
それは丹波も同じことで、白刃をつつんだ笑顔のうちに談笑しながら、一行七人。
栗橋、中田、古河……。
古河は、土井大炊頭、八万石、江戸より十六里でございます。
あれから野本、まま田、と進んでゆくと。
小山へ近づいた灌木の茂みのかげから……。
何者の手すさび?
爪弾きの三味線の音が流れ出て、
「尺取り虫、虫、
尺取れ寸取れ
足の先から頭まで――」
何者? と言うまでもなく……櫛巻お藤は疲れ休めに、藪かげに足を投げだして、たったひとつの、旅の荷の三味線を取りだし、そう思い出したように口のなかで唄っているそばに。
大刀濡れ燕をかたえに引きつけ、大の字なりに草の上に寝ころんでいた丹下左膳。
枕もとに咲きみだれる秋の七草を、野分が吹いて通る。
と、突然、その藪原から二、三間はなれた街道に、来かかった旅人の跫音が、乱れ立って、
「おおッ、あの唄声! 尺取り虫の唄だッ? 旦那方、御用心なせえ! 櫛巻の姐御がいるからにゃア、あの丹下左膳てエ化け物侍も、どうやらこの近くにとぐろをまいているにちげえねえ」
と、頓狂な声をあげるのは、まぎれもなくつづみの与吉。
とたんに、源三郎の大声で、