轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

そしてたまたま路傍でも――今のように――人に会えばたちまち寄って来て、相手の気もちなどにこだわらず、云いたい事を云うのだった。

「起つさ、起たないでどうするか。自然の循環は廻って来ておる。自分等の細腕をながめたらやれまいが、天の運行を熟視すれば、時は近いということがわかる筈だ。天文を説く予言者の言と同一に思ってはいけない。わしは地上の事を指しているのだ。都の有様を見ておるか。地方の豪族、庶民の声なき声を、よく耳をすまして聞いておるか。やるがいい、各※(二の字点、1-2-22)は若い」

「…………」

文覚は振向いた。目代の役人が伸び上がって此方を見ている。彼はにわかに、自分の行先を思い出したように、

「では。……おさらば」

いつになく叮嚀に頭を下げてから、

「実は、この文覚に対して、どう風のふき廻してか、都より赦免のお沙汰が届いたので、長らくお世話になったこの里を離れ、ただ今、都へ帰る途中でおざる。……遂に、お目にはかからなんだが、佐殿にも、よろしくお伝えありたい。やがて佐殿とも、広い天が下にて、お目にかかる機が必ずあろう。そう文覚が信じておると、お伝えあれよ」