轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

老将

一

入道は自分を自分で火の車にのせ、火焔の中から常識の人にはあるまじき指図をした。法皇の近臣三十余名の官職を剥ぎとり、前関白基房をはじめ、藤大納言実国や按察大納言父子など、次々に都から追い出して、遠国へ流してしまった。

「何たる悪行ぞ」

もう百人中の一人も、入道の支持者ではなくなった。

老将

一

ひどく咳が出る。出始めるとまた、容易におさまらない咳であった。

「閉めよ。……誰ぞ、そこの妻戸を閉めぬか」

咳きの中から苦しげに、源三位頼政は云った。

小侍が走り出て、

「お閉めいたしますか」

と、念を押したが、訊かれるのさえ、息苦しそうに、

「ウむ。……むむ……」

頷きながら、厚紙を唇に当てたまま、しばしは口をきき得ない。

もう四月である。邸のすぐ裏を、今年の花も、加茂の水は日ごとに流し去って、若者たちは、衣更えしている。

――もう河風も冷たくはなかろう。

冬のように閉じ籠っていた頼政は、稀に世間の空も見たくなって、さっきから庭ごしに、河原の水や、京の四山の若葉を見ているうちに、もう老骨に風が沁みて、咳が出る。水洟が出る。

「ぜひもない。わしももう……」

独り年齢を思う。