轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

白衣の使者

一

――その梢に、今日も伊豆の夕日が、はや寒々と訪れていた。

「お。……ここか」

ひとりの山伏は、杖を止めた。配所の外に立って、しばし奥の屋根作りの様など窺っていたが、

「ああ、長い年月を、ここに暮しておられたのか」

と、その面は、無量な追憶につつまれていた。

やがて、山伏は、ずかずか通って行った。

柵の内には、畑がある、厩が見える、釜殿がある。

釜殿からは、夕餉のけむりが流れていたが、人影は見えなかった。

「はて?」

玄関をさがして横へ曲がる。

厩の内から、白い人影を見ていた三郎盛綱が、怪しんで駈けて来たのを山伏は知らなかった。

「たのもうっ」

杖を立てて、玄関から訪れているところへ、

「どなた」

と、盛綱が後ろから声をかけた。

「や」

と、振向いて、

「こちらの家人でおわすか」

「そうです。――合力なれば厨のほうへおまわりなさい」

「いや、合力ではない」

「然らば、何者か」

と、咎める。

山伏は容易にゆるさない眼ざしを以て、そういう盛綱を見やりながら、

「佐殿に会えばわかる。お汝、ここの家人なれば取次いでくれい」

と、云う。

「用向きも知れぬ者を、お取次するわけにはゆかぬ。