轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

三

三

待ちかねていた頼朝は、盛長が帰ったと聞くと、すぐ招いた。

「千葉介が返答はどうであったか。――応か、否か」

「ご書の趣、承知とのお答えでした。最初は、難しいお気色に窺われましたが、ご子息方が、挙ってお味方あるようと、此方をご支持くださいましたため、さしも常胤殿にも、ついに、ご加担申そうと、お約し下されました」

「そうか」

頼朝の胸は、どっと鳴るほど、歓びに開けたに違いなかった。しかし、そう一言、唇をむすんで云っただけだった。

盛長は、なお、復命をつづけて、

「――また、常胤殿が仰せには、安房、上総、何地にしても、佐殿がおらるるご宿所として要害とは申されぬ。すこしも早く、旗をすすめて、相模の鎌倉にお拠りあるが上策かと考えらるる……との事でござりました」

「鎌倉へ」

彼は、天来の声でも聞いたように、眸をあげて、

「――鎌倉へ。ムム、鎌倉へとか」

と、何度も呟いた。

それから盛長に、大儀であった、休むがよいと、犒って、自身は、時政やその他の将を集めて評議し始めた。

評議の結果、急に、軍の方向が変った。

ここまでは、

「上総介広常の館へ」

と、それが目標であったし、次の行動にかかる根拠地と目されていたが、頼朝は、その方針を一変して、