轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

「申しわけない」

と、悲涙を押しぬぐって、

「――この上はどうする」

という策もなかったが、佐藤兄弟のみは、かねて奥州を去る折、藤原秀衡から云いふくめられていた事もあるので、今は都にとどまって何のかいがありましょう、はや、ご加勢の事は断念して、いさぎよくこの地を去り、ふたたび奥州へさしてお帰りあれと――そう義経のために、真心をもって、諫めに出たのであった。

――と、義経は、ふたりの諫言を、瞑目して聞いていたが、やがて、

「義経は、死しても帰らぬ。そち達、故郷が恋しくなったのなら、二人だけで帰れ。きょうかぎり暇をくれる」

と、きっぱり云った。

三

平家退去の時、大半、焼払われもしたが、京都の町や、途ゆく人の粧いは、わずかなまに著しく変って来ている。

べつに、法令をもって、

(平家風は相ならぬ)

と、律したわけではないが、一頃のこれ見よがしな華奢な音階や色調は去って、どことなく実質を内容にもとうとする風が見えだして来た。

――と云っても、庶民の心には今、言わず語らず、次の時勢にかけている希望がある。大きな行くてを望んで理想する民衆は、必然、明るい色を好んだ。