轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页
仏子と凡夫
一
お坊さまになれば……」
筆を持ったまま、その肱を曲げて、両眼に当て、しゅくしゅくと泣き出してしまった。
「ゆるせ。心ない事を訊ねた。……ゆるせ」
重盛は、顔をそむけた。その頬に一すじ、白いものが流れるのを月に見て、宗清はひそかに心を強くした。この和子は助かるという気がした。
仏子と凡夫
一
主の帳内に間ぢかく詰めている宿直たちはもちろん始終を聞いていたし、対屋や遠侍の控えにまで、清盛の声はきこえて来た。
「ばかなっ。ばかな」
これは時々聞くことで珍しからぬことばだったが、
「――親に対ってッ」
という一喝は、かりそめにも正三位参議の六波羅殿の館から洩れてよいものではない。下司雑人なら知らぬことだ。
寝殿を中央に、左右の対屋から北の母屋、奥の局までも、為に、夜空の雲に鵺でも現われたように――鳴りしずまって、しんとしてしまった。
夜もふけてゆくし、それがために一層、清盛の声は、耳だつばかりだった。
「重盛。おまえは子だぞ。わしの子だぞ。いくら賢ぶっても」
「はい。弁えています」
「今のことばは何だ。親を無慈悲無情の羅刹とはなんだ。慈悲がなくて、子が育つか」
「羅刹などと父君を誹った覚えはございません」