轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
そう与吉が、たてつづけに弁じても、かんじんのお藤姐御は、キョトンとした眼を見はって、ふしぎそうにまじまじと、相手の顔を見上げるばかり。
さて、ここで物語はとびます。
そう駕籠わきの侍が、つづけざまに弁じたてても、駕籠のなかの一風宗匠はキョトンとした眼をすえて、まっすぐ正面をまじまじとみつめているばかり。
「江戸からの報告は、いまだに思わしくないことのみ。御在府の御家老田丸主水正様、捜索隊長の高大之進殿、いずれも何をしているのでござりましょうなア。もはやこけ猿がみつからぬときまれば、日光御修営はいかがになるのでございましょう」
長旅の退屈まぎれに、話し続ける高股だちの武士は、ふっと気づいて、また苦笑をもらした。
「おう、そうであったナ。どうもいけない。一風宗匠は筆談以外には、話ができないということを、おれはすぐに忘れて……これではまるでひとりごとだ、あはははは」
そのお駕籠には、柳生藩のお茶師、百と何歳になるかわからない奇跡的な藩宝、一風宗匠がゆられているのです。
前を行く駕籠ひとつ――これはいうまでもなく伊賀藩主、柳生対馬守様。
御行列です。突然出てきたのです、柳生の庄を。