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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
床脇の違い棚まで、小判を満載した三宝がならべられて……。
この上屋敷へついた翌朝のこと、対馬守は主水正の案内で、その庭の隅、築山のかげへ行ってみたのです。将軍家からの救いの手として、愚楽老人はその部下の甲賀者を使い、一夜のうちに埋ずめておいた黄金。
その場所には、主水正のはからいで、もっともらしく注連縄が張りめぐらされ、昼夜見はりの番士が立っている騒ぎ。
幕府の心がわかっている以上、これを掘り出して目前の日光修覆の用に当てればよいだけのことだ。
ここは芝居をする気の対馬守、いかにも先祖伝来の大財産を、あのこけ猿の壺によって掘り出すといったおごそかなようすでした。
斎戒沐浴して、お鍬入れの儀式と称し、対馬守が自身で第一の鍬を振りおろす。
もっとも、これは始球式みたいなもので、ほんのまねごと。
対馬守の鍬が、そっと掃くように地面をなでると、裃姿の田丸主水正が、大まじめでお喜びを言上した。
どこまでも、こけ猿の茶壺が発見かって、それによってこの宝掘りになったということを、家臣の口から世間へ伝えさせ、信じさせるために、あの一風宗匠までがこのお鍬入れに引っぱり出されたのは、なんとも御苦労な話で。