轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
03 日光の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,229 字 · 389 页
うまく萩乃を言いくるめたものです。
何事か思いたって、源三郎はゆうべのうちに、急に日光へ向かって発足した。ついては、丹波に萩乃を守って、あとから追いつくようにという伝言だったと、もっともらしい口構え。
兄対馬守は造営奉行として、目下登晃中なのだから源三郎が所要あって、そっちへ出むくことは、不自然ではない。
なるほど、源様は、ゆうべ三人を連れていつのまにか、屋敷を抜け出ている。
自分の幼い時分から、この不知火の道場にいて、父十方斎の信任あつかった峰丹波の言うことです。ことには、源三郎とも和を結んだという。
萩乃が信用したのも、無理ではない。
峰丹波、わざと供はつれません。つづみの与吉ただひとり。
まもなく、いかめしい道場の門をあとにした旅ごしらえの三人は、何も知らぬ萩乃を中に、右に丹波、左に与の公。
多勢の不知火の弟子どもに送られて、笠を振り振り妻恋坂をくだりながら、もう道中気分の与の公は、馬鹿にいい気持になってしまって、
「ねえ峰の殿様、旦那、先生……旅は道づれって言いますけど、正直のところ、野郎ばかりの道中じゃアあんまりドッとしねえが、こうして妻恋小町の萩乃さまを真ん中にはさんでゆくと、どうもハヤ往来の者がみんな振りかえりますぜ。