轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

都の繁昌は、洛内九万余戸とひと口にいわれている。保元、平治の乱も十年のむかしとなって、近頃は宵でもなかなか賑わしい。しかし吉次は、奥州平泉の藤原氏の都市とくらべて、

「なにが」

と、すべての物へ、負けない気を呼び起しながら見歩いた。

ただ悲しいかな、平泉は都市であっても、皇都でない。また、いかんせん美人となっては、京都の血を輸入してゆくしかない。潮音のような美しいのはいない。

その他は、どんな貴顕の門であろうと官庁の厳かを見ようと、驚きはしない。彼の叛骨は、かえってせせら笑いを催してくる。

「ふん……いつまで続くか」

今宵はわけてもそういう天邪鬼がこみあげている彼だった。元々彼の郷土の国は、八幡太郎義家このかた密接な関係を血にもひいている藤原秀衡一族によって固められているものだ。いくら平相国が中央に覇を唱えようと、奥州の天地では何ともしていない。強いてその血を源氏か平氏かといえば、源氏の血が濃い。――吉次もその氏子の一人だった。

いつか河原へ出てしまった。加茂の水明りに吹かれると、すこし業腹が宥められたここちである。吉次は堤の若草に坐りこんだ。膝を抱えて、三十六峰と睨めッこをするように黙然としていた。