轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

「朝日新聞」1940(昭和15)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 306,118 字 · 613 页

青空文庫

「折を見て、そっと、政子の胸を聞いておけというような……仰せつけかと存じておりました」

「好きか、嫌いかなどと、彼女の胸を、いちいち訊いていたひには、そのまに、妙齢も過ぎてしまおう。そちは義理の仲とて無理もないが、わしが少し甘えさせ過ぎた嫌いがある。こんどは訊くにも及ばん。父の眼で取極めた聟だと、云い渡せ」

「でも、女子の一生は」

「だから急ぐのだ」

「でも……。人なみ優れて、先の先まで、考えている娘でございますから、無下に好まぬ先へ嫁がせても」

「嫁けば、後から好きになるものだ。――どこへ輿入れしようと、親の許にいるようなわけにはゆかぬ」

「あなた様から、仰っしゃっていただきとうぞんじます。わたくしから申し告げても、もしこんどの縁談も気がすすまず、種々と、泣いてなど、処女心を申されると、女は女の気もちに組して強いて嫁けとも云われなくなります」

「なんだ……?」

時政は、すこし怪訝って、

「そういうお前からして、この縁組には気のすすまぬ容子ではないか」

「そんな事はございません」

「はての? ……。何か、わしの留守中に、政子の行状に、変ったふしでもあるのではないか」